イントロダクション

“四季シリーズ”で世界的人気を誇る恋愛ドラマの名手ユン・ソクホ最新作人生の夏から秋へ―済州島の美しい風景とクラシックの名曲が紡ぐ大人の愛

日本中に「冬ソナ」ブームを巻き起こしたユン・ソクホ監督による待望のスクリーン最新作!数々のドラマで若い男女のロマンスを描いてきた彼が本作で描くのは、“恋愛ドラマの巨匠”ソクホの集大成にふさわしい大人の男女の最後の恋。楽園のような夏の終わりの済州島を舞台に、空や海の変わりゆく色合いや一瞬の風をとらえ、“映像詩人”とも呼ばれるソクホならではの印象的なシーンの数々に目を奪われる。撮影は、『殺人の追憶』『夜の浜辺でひとり』などポン・ジュノやホン・サンスと数多くタッグを組んできた巨匠キム・ヒョング。その景色の中で傷ついた男女をリアルに演じたのはキム・ジヨンとペ・スビン。多くの映画やドラマで知られる実力派の2人が表現する繊細な心情に、オペラの名作「椿姫」やJ.S.バッハの「アダージョ」などクラシック音楽の調べが寄り添う。原作は伊吹有喜のベストセラー小説『風待ちのひと』で、本作が初の映像化。もう一度恋をするなら―そんな共感とともに癒され、静かな感動と余韻に包まれる珠玉の愛の物語。

ストーリー

夏の終わりの海辺の街で、偶然出会った男と女。それは最後の恋の始まり。

夏が終わりに近づく頃、ヨンヒは毎年、済州島へとやって来る。一方、母の遺品を片づけるために済州島に来ていたジュヌ。2人が偶然出会った日の夜、ジュヌが海で溺れかけているのを助けたヨンヒは、彼の家で膨大な量のクラシックアルバムのコレクションを目にする。どうしてもクラシック音楽を教えてほしいと、必死になってジュヌに頼み込むヨンヒ。その様子はどこか意味ありげで、断り切れなくなったジュヌは庭の片づけと引き換えにクラシックを教える約束を交わすことに。ソウルでの暮らしに疲れ切っていたジュヌは、お節介でズケズケとモノを言うヨンヒのペースに巻き込まれていくうちに、少しずつ心を開いていく。だが実は、ヨンヒもまた過去に辛い体験をしていて……。人生の道に迷ってしまった2人は次第に想いを寄せ合っていくが、夏は終わりを告げようとしていた―。

キャスト

キム・ジヨン

ヨンヒ役

[PROFILE]

1974年生まれ。1995年に俳優デビューし、96年から出演した国民的長寿ドラマ「田園日記」(80~02)での飾り気のない役柄で人気を集める。「トマト」(99)ではヒロインをいじめる悪役にも挑戦。「みんなキムチ」(14)「愛を抱きしめたい~屈辱と裏切りの涯てに~」(16)といった主演作をはじめ「偉大なる糟糠の妻」(15)「優雅な友達」(20)などコメディからシリアスまで多彩な役柄を巧みに演じ、出演作が途切れることのない実力派。近年の出演作は、「リンク:ふたりのシンパシー」(22)「犬の声」(24)、映画『EXIT』(18)『エクストリーム・ジョブ』(19)『シングル・イン・ソウル』(23)など。

ペ・スビン

ジュヌ役

[PROFILE]

1976年生まれ。2001年に俳優デビュー後、ウォン・カーウァイ監督の推薦で中国に留学し、日中韓共同制作ドラマ「記憶の証明」(03)に出演。帰国後は「朱蒙〔チュモン〕」(06)で注目され、主演作「天使の誘惑」や「華麗なる遺産」(ともに09)「トンイ」(10)で人気を集めトップスターに。以後も「私の期限は49日」(11)「秘密」(13)「神との約束」(19)、映画『メモリーズ 追憶の剣』(16)『消えた時間』(20)など、確かな演技力と誠実な感性で数々のドラマや映画で活躍。近年の出演作は、「優雅な友達」(20)「恋慕」(21)など。高橋伴明監督による日本映画『道-白磁の人-』(12)でも主演を務めている。

スタッフ

ユン・ソクホ監督・脚本

[PROFILE]

1957年生まれ。1992年に演出家デビュー。「秋の童話~オータム・イン・マイ・ハート~」(00)がアジア各地で放送されて注目を集め、続く「冬のソナタ」(02)が日本でも大ヒットし“韓流ブーム”を牽引。「夏の香り」(03)「春のワルツ」(06)までの4部作は“四季シリーズ”と呼ばれ、韓国ドラマの世界進出に大きな貢献を果たす。チャン・グンソク&ユナ(少女時代)を起用した話題作「ラブレイン」(12)は劇場版も公開された。2017年に“松竹ブロードキャスティングオリジナル映画プロジェクト”で日本映画『心に吹く風』を監督して以来、本作『夏の終わりのクラシック』は7年ぶりとなる待望の映画最新作。近年は寡作ながら、一貫して“愛の物語”にこだわり丁寧な作品作りを続けている。

キム・ヒョング撮影

[PROFILE]

1960年生まれ。大学卒業後にアメリカ留学を経て、1994年に撮影監督として本格的にデビュー。キム・ソンス監督『ビート』(97)で映画評論家協会賞撮影賞を受賞。同じくキム・ソンス監督の『MUSA-武士-』(01)がチェン・カイコー監督の目にとまり『北京ヴァイオリン』(02)の撮影を手掛けることに。イ・チャンドン監督『ペパーミント・キャンディー』(99)、ホ・ジノ監督『春の日は過ぎゆく』(01)、ポン・ジュノ監督『殺人の追憶』(03)、チョン・ジヨン監督『折れた矢』(12)、ホン・サンス監督『夜の浜辺でひとり』(17)など名匠監督とのタッグで、その時代の韓国を代表する多くの作品を手掛けている。